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従業員満足度とは?大事な11の項目~医療機関・医療スタッフの場合~

カテゴリー: モチベーションアップ 従業員満足度・意識調査 意識改革 組織改革 経営支援 ブログ

少子高齢化が先進国の中で最も早く進む日本において、IT化やAIの導入などと言っても、やはり「人」による労働力の価値は計り知れません。
現在多くの企業で、従業員をいかにして確保し、採用した従業員をいかにして長く働いてもらうかが、経営上の生命線とも言える状況になっています。
そのため、各企業では従業員のエンゲージメントの向上に向けた指標として「従業員満足度」をより重視する傾向になっています。

「人手」によるところが業務の多くを占める病院などの医療機関にとって、「従業員満足」はそのまま患者様満足、業務効率、離職率に影響することから、企業以上にその指標を重要視する必要があります。

このブログではそもそも「従業員満足度」はどういうものか、どのような取組みが医療機関で働くスタッフや従業員の満足度を向上させるのかを紹介していきたいと思います。

従業員満足度とは

「従業員満足度」とは、そこで働く従業員の満足度を表す指標のことです。Employee Satisfactionを略して、ESと呼ばれる場合もあります。
企業ではこのESに影響を及ぼす項目として、主に以下のようなものが挙げられます。
・企業ビジョンへの共感
・自身の仕事の内容や、仕事が社会に与える影響度合い
・業務を行う仲間や取引先などとの関係性
・仕事場の環境
・報酬や福利厚生といった待遇面

企業と医療機関では、社会的な存在意義が異なることから、これらの5項目をそのまま当てはめるには無理があります。

医療機関の従業員満足度(ES)に影響を与える要因として、以下の11項目を指標とするのが相応しいと考えられます。
1.働く幸せ
2.自己実現感
3.承認感
4.患者志向性
5.所属感
6.経営への信任
7.多職種の連携
8.職場環境
9.労務への納得感
10.主体性
11.組織風土

では、この11項目とは具体的にはどのようなもので、医療機関でどのような取組みをすればこれらの従業員満足度が向上できるかを考えていきたいと思います。

1.「働く幸せ」

職場への愛着を持ち、そこで働く幸せをどの程度感じているかという指標です。
資格を持った専門職が集まる医療機関では、「組織への愛着を高める工夫」を継続的に行わないと離職率の悪化を招きます。従業員は、今の医療機関で働き続ける必然性を認識していないと、当然愛着は生まれません。

この指標を改善するのは、容易なことではありません。「働く幸せ」を生み出すためには、従業員に「働く幸せ」を高めるために、何が課題かを端的にヒアリングし、真摯にスタッフの声に耳を傾ける必要があります。

2.自己実現感

自身の業務を誇りに感じ、仕事を通じた「自己実現欲求」が満たされているかという指標です。
スタッフ自身が取り組みたいことと自院の方針が一致していない場合に、この指標は下がる傾向になります。

改善に向けては、まず自院の方針や自院が大切にしようとしている価値を明確にし、それを全従業員と共有することが有効です。また、その方針が経営層やマネジメント層の思いつきなどで変えないことも重要です。

3.承認感

周囲から認められている実感があるかどうかという指標です。
人はだれでも「自分がその場にいて必要とされているかどうか」を意識的にも無意識的にも確認しようとします。
必要とされていると感じないときに、この「承認感」は下がります。

この向上のためには、日常的に「上司や先輩が部下や後輩をほめる」組織風土を作ることが重要です。医療機関はとかく人の行動へのネガティブチェックが働く傾向があり、同僚同士や先輩後輩で褒め合う雰囲気が日常化している職場は少ないと言えます。
しかし、この改善が従業員満足度を高め、離職率の改善を促します。

4.患者志向性

患者さまを大切にする仕組みが整っていて、実践させているかどうかという指標です。
もとより医療は、病気や疾病で困っている人を喜ばせたいという志から、その道に進む人が多い職業と言えます。

患者さまを収益の対象と見るような経営層がいる医療機関では、自ずとモチベーションが下がります。医療機関のスタッフが一体となって、「患者さまに喜んでいただくためにどういうことが必要か」といった議論や具体的な方策を進めている医療機関ではこの指標は高くなります。

5.所属感

組織の存在意義を理解し、そこに所属することに喜びを感じているかどうかという指標です。
ここでいう「組織の存在意義」とは、「医療機関の地域における存在理由」ということです。

先述のとおり医療機関は専門職の集まりというところから、所属感が低くそれに起因して離職率が高くなる傾向があります。
ここで重要になってくるのは、「自院の地域における存在理由」を共有する取組みです。
地域における存在理由とは、高度医療や専門医療といったようなことだけではありません。

「この病院に来ると、他の病院では感じないあたたかみがある」といった評判を患者さまから聞くことがあります。
おそらく、この病院はスタッフやドクターの対応力や接遇力を高め、そのような評判を地域で獲得しているのだろうと考えられます。
これもまた「医療機関の存在意義」です。

他の病院にはない価値をどの部分で磨いていくのかを共有していく取組みが重要になってきます。

6.経営への信任

経営層が従業員の幸せを大切に考えていると感じているかどうかという指標です。
これは単に福利厚生の充実や、経営層と従業員とのコミュニケーションの充実だけでは向上できない指標です。
経営幹部の発言とマネジメント層が言っていることに不一致を感じると下がる傾向にある指標です。

経営層は、現場の従業員にも中間のマネジメント層にも判断を迷わせない指針を日ごろから示す努力が必要になります。そうした努力が、経営への信任を高めることになります。

7.多職種の連携

他の部門へ関心を持ち、協力し合う環境が整っているかどうかという指標です。
これは、医療機関ならではの指標と言えます。
専門性の異なる多職種のスタッフがチームとなって一人の患者さまに向き合う必要性のある医療現場にとって、この指標が低いとストレスを生む大きな要因になります。

専門性の高さが仇になり他部門への関心が低かったり、協力し合おうとする環境が整っていなかったりする医療機関では、医療スタッフの心的ストレスが高まります。
また部門ごとの縦割りが強い医療機関でも同様です。
日ごろから、他の部門へ関心を持つ工夫や、部門の垣根を越えて協力し合う雰囲気をつくる工夫が重要になってきます。

8.職場環境

安全に配慮され、働きやすい環境が整っているかどうかの指標です。
人の基本欲求である「安全欲求」を満たすことで高まります。

この指標は、単に身体的な安全への配慮のみならず、賃金が毎月決められた日に支払われることや、休暇を申し出やすい配慮がなされていることなど、「安心して働く環境が整っているかどうか」ということで、数値に変化が現れる指標です。

9.労務への納得感

自身の評価・業務量・給与に納得しているかどうかという指標です。
これは、自身の労働時間や業務量へ納得し他者との不公平感を感じていないことや、自分の評価が正しく行われ、納得のいく給料が支払われている状況で高まる指標です。

特にここで重要になってくるのが、「自身への評価」です。
評価は人が行うことから、不公平感が生まれがちです。
360度評価など、公平な評価への工夫が求められます。

10.主体性

組織の理念を理解し、目標達成や組織変革に主体的に取り組んでいるかどうかの指標です。
従業員やスタッフの主体性が足りないと嘆かれている医療経営者の声を耳にします。
主体性は、所属感や働く幸せとも相関する重要な指標です。

所属感が高く、働く幸せや承認欲求が満たされれば、主体性は高くなります。
従業員の主体性を高めることに苦慮している経営者が多いのも事実でしょう。

主体性を高めるためには「内発的なモチベーションの向上」が不可欠です。
目標を自ら設定し、その実現に向けて行動していく。そして組織や経営はそれを支える。そういった環境形成が必要になります。
とかく医療機関はトップダウンや上意下達の組織になりがちですが、組織変革への取組みや工夫が、この指標を向上させます。

11.組織風土

同僚や上司との関係が良好で、何でも言える風土かどうかの指標です。
この指標は承認感とも関係してきますが、「従業員同士が交わす言葉数が多いかどうか」ということです。

日ごろからなんでも話せる、相談できる雰囲気がなければ、悩みごともスタッフ自身が一人で抱え込むことになり、場合によっては離職に繋がることにもなります。
同僚や上司との関係が良好で何でも言える雰囲気作りは、意外と身近なことから取り組むことができます。

例えば、挨拶の励行です。
当たり前のようなことを申し上げていますが、医療機関では意外と挨拶がきちんと交わされていない現場が多いように見受けられます。勤務時間の違いから、そのようなことになりがちとも考えられます。
組織風土の変革は、気持ちのいい挨拶の励行を交わし合うことから始められます。

以上、医療機関の従業員満足度を測定する上で重要と思われる指標を11項目、紹介させていただきました。
これらの項目も、ちょっとした工夫や努力で改善が可能なこともご理解いただけたと思います。

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