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病院・医療機関のイメージ・印象を改善するための重要な課題
・患者対応力を上げる
・ホームページとの印象を合わせる
・第一印象の改善
について紹介します。
目次
医療機関の経営者にブランディングのお話をすると、
「うちの病院は広報活動にお金を掛けられない」
「そもそも医療にブランディングなんて関係ない」
と言われることがあります。
ブランディングというと、認知拡大やイメージアップの話しと思われがちです。
これは、企業を経営されている方にも同様の印象をお持ちの方が多いように思われます。
その背景にはこれまで多くの企業がブランディング活動の一環として「ロゴの変更」や「広告の大量出稿」を行ってきたのを目にしたからだと思われます。
また、イメージアップの担い手として頭に浮かぶのが広告会社のため、そういう印象を受けるのかもしれません。
印象を改善する施策の中で、私たち生活者が目にするのが広告だったり、ロゴや商品パッケージだったりするため、ブランディングというと「大量の広告費が必要」「イメージアップの話し」という印象を受けるのだと思います。
もちろん、広告はイメージアップや印象を改善する施策の一部として重要な取組みです。
しかし、その前にやることがあり、そこをおろそかにすると病院や医療機関のイメージアップは失敗します。
イメージアップや印象の改善を進めるにあたり、その本質を理解されている経営者は、企業でも医療機関でも、認知の獲得や広報活動などの前に着手することがあります。
それは、「商品力」の強化です。
商品力の向上を行わないまま、イメージ戦略や広報戦略に頼ると医療のブランディングは上手くいきません。
では、医療機関における「商品力」とは何でしょう。
それは「患者対応力」です。
医師やスタッフの「患者さんへの対応」や、「部門間の連携」「受付の電話対応」など、一人の患者さんを中心とするその医療機関の患者対応力です。
対応力の高い病院や医療機関は、良い評判となって必ず地域に広がります。
一方、広報やホームページでの印象が良く、実際にその病院を訪れてみると、受付の対応からとても褒められるものではなく、残念な気持ちになります。
患者さんの残念な気持ちは、悪い評判となって広まります。
まず、「患者対応力」を上げることが、病院のイメージアップや印象を改善する第一歩と言えます。
多くの医療機関で、スタッフの研修などを実施し患者対応力の向上に努めています。
しかしながら、思うように対応力が上がらないといった声を耳にします。
その背景には、スタッフの内発的なモチベーションを上げる工夫がなされていないからだと思われます。
研修は多くの場合、スキルを磨くのには有効です。
しかし、スキルを磨くエネルギーがスタッフに不足していれば、いくら研修を実施しても効果は発揮されません。
そう考えると、まずはスタッフのエネルギーを上げる、言い換えれば「内発的なモチベーション」を上げる取組みが必要になります。
行動心理学者のマズローは、人間の欲求を5つの階層で体系づけました。
その中でマズローは、人の生命維持の根源的な欲求や労働環境の安全性への欲求の上に「社会的欲求」「承認の欲求」「自己実現の欲求」を位置付けています。
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病院や医療機関で働く医療スタッフの自己実現を満たす前提として「社会的欲求」を満たす必要があるということです。
では社会的欲求とはどういったものでしょう?
社会的欲求とは、所属への愛着と信頼です。
つまり、勤務先への愛着が薄い状況では承認欲求や自己実現欲求を満たすことはできないと言えます。
そう考えると、まずはスタッフの勤務先である医療機関や病院への愛着を高める取組みが不可欠ということになります。
スタッフの愛着を高める取組みがモチベーションを高め、対応力を向上させる原動力になります。
スタッフの愛着に満ちた病院は、自ずと患者満足が高まり地域での良い評判が広がります。
病院や医療機関の職場は、往々にしてモチベーションが下がる雰囲気があります。
その背景には、このようなことあります。
モチベーションの向上が、患者対応力を向上させ、それが病院や医療機関のイメージアップや印象の改善に繋がっていくにも関わらず、モチベーションが高まりにくい環境にある、というの多くの医療機関の現状です。
その雰囲気を改善し、モチベーション向上への取り組みを積極的に推進する医療機関が地域で選ばれる医療機関になっていくと言えます。
私たちは、受診先として医療機関を選ぶ際に、「近くにあるから」というだけで医療機関を決めなくなってきました。
近くにあったとしても、一度はその医療機関のホームページを見てから受診するかどうかを考えます。
飲食店やホテル選びでも、同様のことを行います。
ホームページを見て行ったら「イメージがあまりに違ってがっかりした」という経験はありませんか?
ホームページで得た印象と実際のお店やホテルでの経験に大きな差があると、激しい違和感を与えてしまいます。
それは、病院や医療機関でも同様です。
ホームページでの印象が、来院する患者さんに違和感を与えないように、イメージや印象を合わせるようにしましょう。
イメージや印象を統一するというのは、色使いやロゴを合わせるといった表層的なことだけではありません。
その医療機関のスタッフが共通に大切にしていることや、実際に受診した患者さんが受ける印象などをホームページというデジタルなメディアで表現するということです。
私たちは他者と関係性を築こうとするときに、その判断のベースに「第一印象」を大きな材料にしています。
それは、病院や医療機関においても同様です。
患者さんが再診先として医療機関を選ぶときには、医療機関の「第一印象」が決め手になるといえます。
患者さんは医療機関に入った瞬間から、衛生環境やスタッフの対応や言動など、いろいろなことを見ています。それは潜在意識がそうさせています。
医療機関に入った瞬間に目にする受付スタッフが無表情だったりすると、「この病院で大丈夫だろうか」と、患者さんを不安にさせてしまいます。
スタッフの印象に限らず、待合室が散乱していたり、清掃が行き届いていなかったりしたら、信頼を損なう原因にもなりかねません。
医療機関の第一印象を決める重要な要因が「患者対応」です。
患者さんの気持ちに寄り添い、「この病院は安心できる」と印象づけることが、再診しやすい医療機関、かかりつけ医へとつながっていきます。
医療機関は、高いレベルの患者対応をスタッフに身に付けさせるための施策(研修など)を行うべきです。
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しかしながら、そこにも注意が必要です。
医療の現場は日常的に業務過多な状況です。
そこに高いレベルの患者対応を求めると、スタッフによっては強いストレスを感じる場合も出てきます。
そうならないためにも、モチベーションの向上策を進めながら、対応力の向上に努めていく必要があります。